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佐藤みがく商店 佐藤稔さん

2016.03.29

仕事を通じて、時代の変わり目をみてきた佐藤さん。


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◆(これまでの話)

もともとは国鉄の鉄道員だったんです。車両検査係として働いていました。入社した頃は蒸気機関車がまだまだ現役の時代。真っ黒になりながら仕事していたものです。主役がディーゼルや電気の機関車に移っていく中、体調を崩した父に代わって商売を継ぐために、新地に帰ってきたのが昭和の終わりごろですね。商いは今までとは全く違う仕事だから、最初は苦労の連続でした。仕入れや帳簿の付け方とか、お店の経営は自分で何でもしなくちゃいけない。

ただ、商いを通じて新地の人たちの情を感じましたね。うそをついてはいけない。それがお互いの信頼の始まり。機関士を続けたかったと思ったこともあったが、商いを通じて、そして地域の人たちから学ぶことが多かった。 



◆(これからの話)


当時はコンビニもなかった時代だけど、店を開いた町の中心の通りには、今よりも多くの店が連なっていたものです。車社会になって相馬に大型店ができたことで、このあたりの様子は一変しましたね。今町の商業はどこも後継者不足に悩んでいる。時代の流れとはいえ危機を感じている。

震災時は町役場や尚英中学校に避難した方をはじめ、物資を買い求める人が多くいて、10日くらいは物資を求める人の列が絶えなかった。震災前から商品をおろしていた船岡との往復を重ねました。

常磐線再開の時には蒸気機関車でも走らせたらどうだろうと思っています。面白いことをやれば、きっとたくさんの人が集まってくるんじゃないかな。

それだけに復興は町の未来を決める大事なことだと思っています。今整備を進めている新地駅はこの町の顔になるでしょう。多くの人が行き交うことで、町の中が盛り上がるようにならないといけないと思います。そして、次の時代を担う子どもたちの意見をしっかり聞いて、それを反映してほしい。自分はそういう若い人たちが動けるように見守っていきたい。